TITLE: Football field for buffalo
YEAR: 2018
Mixed media and participatory based project

THAILAND BIENNALE KRABI EDGE OF THE WONDERLAND
2018.11.2-2019.2.28

I am interested in the traditional lifestyle of the Koh Klang people. Although the island’s residents have become very engaged with eco-tourism in recent years, he found that the people continue to take pleasure in sports and nature. In particular, they still maintain their connections with animals, mainly chickens, goats andbuffaloes.Atthesametime,Fukasawaalso interested in the oral history of the island. He learned that the sports of boat racing, kite flying and football plays a significant role in bringing the community together. Inspired by the popular chicken competition, where competition and animal meets, the artist creates a football field for buffalo and an amphitheater on an abandoned, rich field for the audience. His work gives an opportunity for the communal buffaloes, who are the regular workers in the field, to become key players. Thus highlighting the unique bounds between humans and nature on this island.

1 プロジェクトの概要
クラビのKo Klangという地域では、以前サッカーが流行っていて広大なサッカー場がある。今もサッカーは行われているが、使われていない時には、たくさんの水牛たちが放牧されている。今回のプロジェクトでは、その場所に牧草で作ったボールを置いて、水牛たちのサッカーとして観戦できる場所にしたいと思う。

2 プロジェクトの背景
Ko Klang はタイ国クラビ県の位置地域で中心市街地から船で川を渡り10分の場所に位置する。7割が先住民族でほとんどの住民がムスリムの地域だ。4つの村に分かれており、多くの村人はボートマンをしており、観光客や住民の移動手段や漁業を行なっている。村人の家に泊まるエコツーリズム的な観光業や、稲作農業、お土産品も作る船大工なども営なまれている。
村には、鶏や様々な種類の鳥、ヤギや水牛などの動物と共に生活が形作られている。

村人の話によると、Ko klangではその時々で様々な楽しみが開発されてきたようだ。
船での追い込み漁が盛んだった時代ではボートレース。サッカー、凧揚げなどなど村人たちは自分たちで外の人も巻き込みながら自分たちも楽しむ娯楽を作ることに秀でているようだ。
その中でも村に共に住む動物たちとの関わりから生まれた娯楽がある。
それが現在最も村人たちが熱心にのめり込んでいる「鶏の鳴き声コンテスト」だ。村ごとに一つは必ず会場があり、一回の大会で30羽ほど参加して、鳴き声の回数を競い合い、優勝者は賞金や米を獲得できるというものだ。一朝一夕ではない鶏の育成と調教に村人たちはかなり力を入れている。鶏を鳴かすために飼い主も奇声にも聞こえる掛け声を発するので、会場は、鶏も鳴いているし人間も鳴いているので種別を越えたコンサート会場のようでもあった。

先住民族の村人たちが、時代が変わっても動物たちとの関係や、土地の特性を活かした生活を築き上げながら、現代に至っても川を挟んで、都市とは一定の距離を保ちつつ、過度に近代化をせずに暮らしを続けている。
都市とKo Klangの生活を比較した時の多様性の意味について思いを巡らす。資本主義経済を前提とした上での近代都市が獲得しようとする後天的な多様性と、土地の特性を受け入れて導き出されたその場所固有の生活が表す多様性とではまるで意味が違う。自由の表す意味も違いそうだ。
今回のプロジェクトでは、その中でも土地の特性と動物との暮らしに着目して、その場所から立ち上がる現実の複数性について考えていきたい。