TITLE: 水と油の芸術祭 Water and Oil Akiha Art Festival
YEAR: 2018
水と土の芸術祭2018
水と油の芸術祭ディレクター 深澤孝史
みなさんこんにちわ。この度、新潟市秋葉区にて「水と油の芸術祭2018」が開催される運びとなりました。水と油の芸術祭は、お気付きの通り水と土の芸術祭にかかっておりますが、それだけではありません。水と油は、信濃川の水運で栄えた「小須戸(水)」と、日本屈指の油田と鉄道の街として栄えた「新津(油)」のことを指し示しています。全く違う性格で、生活圏も異なる二つが、2005年に新潟市と合併し、2007年からは政令指定都市となり秋葉区として一つの区になったのです。そんな秋葉区で開催する小さな芸術祭であります。
第一回目の芸術祭のテーマは、「秋葉区民が仲良くする方法を秋葉区民と考える」です。
秋葉区民の皆さんは区民になって、誰しも日が浅く、合併前の暮らしが基本的にはそのまま続いていることが多いので、滅多なことでは秋葉区民という自覚を持つことはないかもしれません。ある意味、行政の都合で人口的に区分けされた区分を、生活実感として自分に落とし込むのは簡単にできることではないと思います。しかし、秋葉区になってから新しく移住された新秋葉区民や、結婚して途中から秋葉区民になった方など、元々の地域コミュニティに属さない層にとっては秋葉区民というアイデンティティは重要になってくるように思います。
そうしたことを踏まえテーマを設定させていただきましたが、無理に仲良くする必要はない、仲良くする理由がないという意見もあるかもしれません。しかし、不可能さも含めた可能性として、意識的に仲良くすることを考えることが、未来の秋葉区に種を蒔くことになるのではないかと考え、このようなテーマ設定にさせていただきました。
ほんのささやかな実践ではありますが、みなさんとともに考えていけたら幸いです。
●出展作品一覧
水と油の芸術祭出展作品は、秋葉区民からのインタビューを通して、仲良くするための方法として構想されたものとなっている。
作品1《秋葉区について区民の思い》
場所:うららこすど
概要:様々な背景をもつ秋葉区民に秋葉区についての思いを話してもらう。このインタビューを通して様々な作品が構想されていく。
作品2《秋葉区のテーブル》
場所:薩摩屋
概要:小須戸コミュニティ協議会の元事務局長であり、小須戸商店街にて住吉屋寝装店を経営する村井さんが人生で最も大きな出来事の一つが、小須戸商店街の空き店舗だった薩摩屋をコミュニティスペースとして開くことができたことだ。そこに秋葉区の形をしたテーブルを置く。様々な区民がこのテーブルで話し合い、未来の秋葉区を考えることを期待する。
作品3《秋葉区民すごろく》
場所:薩摩屋
概要:秋葉区民の皆さんからお話を伺うと、やはりそれぞれ驚くような人生を歩んでいることが多い。秋葉区民の特性をあえて方向づけるのではなく、様々な人のエピソードを追体験することで多様な区民像に思いを馳せることが、本当の秋葉区の区民度をあげることになるのではないだろうか。同時に、未来の区民像を想像することも大事にしたい。
作品4《秋花島》
場所:薩摩屋
概要:秋葉区は新津市と小須戸町が合わさってできた区であるが、新津でも小須戸でもない第3の土地を創造することで、どちらでもないフラットな秋葉区が生まれるのではないかと考えて作ったその模型のようなもの。いつか信濃川に浮かんでいる姿を眺めたい。
作品5《境界の記念樹》
場所:小梅地区揚水機場公園
概要:小須戸縞の職人だった長井さんは自転車で新潟市を巡るのが日課だ。長井さんはいつも景色とともに普通の人の暮らしや、失われていく景色に思いを馳せている。長井さんは、もっと秋葉区に記念碑があるといいんじゃないかと話す。秋葉区になってなくなった新津市と小須戸町の境界。今はまだ、その境界が肌感覚で住んでいる人の中に残っているが、数百年後にはその境界は完全になくなっているかもしれない。両方の町の花だったサツキツツジは樹齢300年のものも咲いている地域がある。記念樹はサツキにしよう。数百年後のためのさつきの記念樹を植える。
作品6《自分の町のいいところを誰かに紹介する手紙を書く》
場所:薩摩屋
概要:秋葉区民は自分の町に対する思いが熱い人が本当に多い。自分の町を愛している人が多い。しかしそれだけでは秋葉区はまとまらない。お互いの町を知り合って、認め合うことで本当の意味で区のコミュニティの基盤ができてくるのではないだろうか。そのようなことを考えて、手紙を交換できるポストを置いてみる。
●参加方法
自分の町の名前と町のいいところを紹介する手紙を書いて、ポストに投函すると、別の人が書いた手紙をもらうことができます。
作品7《油水で木花を育てる》
場所:うららこすど
概要:小須戸は花木園芸の産地として全国的に有名で、日本一のボケ公園がある地域でもある。一方新津は、明治期に本格的に石油の採掘が始まり、1996年に閉山した油田ががある街で、未だに近隣の川の水や温泉には油が混じって流れている。その新津で汲んで来た油水で小須戸の花を育てててみる。
イベント
1 境界の記念樹(作品5) 植樹祭
小須戸縞の職人のだった長井さんは自転車で新潟市を巡るのが日課だ。長井さんはいつも景色とともに普通の人の暮らしや、失われていく景色に思いを馳せている。長井さんは、もっと秋葉区に記念碑があるといいんじゃないかと話す。秋葉区になってなくなった新津市と小須戸町の境界。今はまだ、その境界が肌感覚で住んでいる人の中に残っているが、数百年後にはその境界は完全になくなっているかもしれない。両方の町の花だったサツキツツジは樹齢300 年のものも咲いている地域がある。記念樹はサツキにしよう。数百年後のためのサツキの記念樹を植える。
■日時 9 月30 日(日) 11 時~ 11 時30 分
■会場 梅ノ木揚水機場公園
2 秋葉区民会議 &区民の懇親会 in 薩摩屋
秋葉区のテーブルを囲んで、区民の皆さんとともに秋葉区民が仲良くなるための方法を一緒に考えます。アイデアは、水と油の芸術祭の出品作品となります。
■日時 9 月30 日(日) 15 時~ 17 時(秋葉区民会議)
18 時~ 21 時(区民の懇親会)
■会場 町屋ギャラリー薩摩屋